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ひだまり

 

林 木林 文
岡田千晶 絵
光村教育図書
2018年11月発行

 

あらすじ

春の初め、大きな乱暴者の猫トラピスは、ある日、自分の魚を皆に分けているミケーレという三毛猫から魚を食べないかと声をかけられます。初めての経験にトラピスは何て優しいんだろうと思いました。ある日ついてきたミケーレはトラピスのお気に入りのひだまりに入り「ありがとう」と言います。怒ろうとしたトラピスでしたが初めてありがとうと言われ優しい言葉をかけてしまいます。トラピスとミケーレは共に過ごすようになり、ひだまりを分かち合うようになりました。
トラピスは他の猫から食べ物を横取りするのをやめ、お腹を空かせていました。トラピスの誕生日に魚を贈ろうと港を目指したミケーレは車にはねられてしまいます。痛みを隠してミケーレは、今度生まれ変わったらあなたがいつも暖かいようにひだまりになりたいと言います。
ひとりぼっちになったトラピスは元の乱暴者に戻ってしまいました。でも、黒猫との戦いに敗れてしまいます。新しい春、トラピスはやせ猫に魚の尻尾をあげようと声を掛けていました。

 

感想
出会いと別れ、主人公の猫の心の変化が、春の初めから始まり、次の春の初めまでめぐる季節の中で描かれています。季節の表現がとても美しいです。やさしくされるとやさしくなれる、一人より二人のほうが温かくなれる。そんなメッセージが伝わってきました。絵のやさしさがお話のやさしさと合っていると思います。

 

読み聞かせには
小学校中学年から。特に大人の方に向いていると思いました。

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